Level-1 muon trigger

検出器のヒット位置のズレ(dη,dφ)を使ってトリガー判定を行う。単純に(dη>XX, dφ>YY)といったカットをかけてしまうと、ほしい運動量のミューオンも出鱈目に殺してしまうこととなる( = signal efficiencyを下げてしまう。このefficiency は理想的には100%のままが好ましい)。そこで、dηとdφの相関を予め計算しておいて、なるべくイベントbyイベントでカット閾値を計算しておきたい。その参照表の様な概念をL1MuonではCoincidence Window(CW)と呼んでいて、Runの始めにはMCベースのCWを、実データが溜まってきたらData-driveなCWを作成して、運動量判定条件を最適化していく。

衝突点はビーム軸方向に5cmくらいの広がりを持っている。

L1 muon のトリガー単位

Region-of-Interest (RoI)単位でミューオン運動量を計算していく。Run-3ではSSC単位(2R�4φ = 8RoIが集まったもの) でトリガー判定を行う。

TGCにおけるdη (dφ)

Coincidence Windowの作り方(概要)

TGC-BWにおけるCW(pT>20GeV)の作成の方法:

  1. 用意したsingle muon (例えばpT=20GeV, pT=40GeV, pT=100GeVとか)MCサンプルを使って、各運動量におけるM1とM3のヒット位置のずれ方(dη, dφ)を計算する = ヒット分布
  2. 作成したヒット分布からsignal efficiency が99%になるように不要なビンを削っていく
  3. それらを足し合わせれば、pT>20GeVのミューオンに対する dη:dφの相関図(=CW)が作成できる
  4. さらにpT=10GeVの低運動量サンプルのヒット分布を見たときに、おそらくpT>20GeV CWの端の方と重なっている部分もあるので、ある割合でpT=10GeVのミューオンもpt=20GeVのミューオンとして判定されてしまうことが分かる。

Trigger rate の見積もり

CWを作成して、Trigger rateを見積もるときは、基本的にデータベースの解析を行う。いわゆる beam pipeから誘発される cavern background はMCでは上手くシミュレートできていないので、実データを使って新規トリガーロジックを試す必要がある。しかし、ここで重要なことは「どんなトリガーで取得されたデータを使用するか?」である。一般的なデータで取得されたイベントでは、L1通過後のイベントがHLTで削減されているので、そいういうデータを使用するとoverestimateになってしまい、正しいトリガーレートの見積もりはできない。そこでL1が発行されたイベントは全て取得する HLT_noalg_**のイベントを使用する。

TGC-BW コインシデンス

分解能 TGC:σ(η) = 0.02Endcap TGC:148 RoI = 16SSC、Forward TGC:64 RoI = 8 SSC

TGC, EIL4 (TGCのdoublet構造を持っている)のフロントエンドは、最終的にG-Link (800 Mbps)でデータをSLに送信するため、送信できる情報が検出器の分解能以下の情報しか送ることができない(このフロントエンドはHL-LHCのタイミングでそう取り替えされる予定)。そこで1ch毎に読み出すのではなく、ある単位のwire (or strip)を1chとして読み出して後段へと送信する読み出しエレキになっている。

SLへはHPTボードから1SSCについて1R情報が送られてくるが、最大4φの情報を受け取る。このため、本来は1つのミューオンが通過した事象にも関わらず、SSCの中で4つのRoIがなることになる。このままではむやみにトリガー判定数を増やすことになるので、Run-2と同様、TGC−BWコインシデンスは 8RoI (=1 SSC)から一つのRoIについてのみpT発行計算判定を行う。

NSW コインシデンス

Level-1で使用できる情報は、η が 0.005、φ が 10 mrad、∆θ が 1 mradである。

NSW TPは最大8トラック候補をNewSLへと送信し、NewSLはoverlapを考えると最大16本のmuon tracksを受け取り、コインシデンスロジックへのinputとする。

RPC BIS 78

Run-2までのBIS 78の位置にはMDTしか設置されていなかったが、Run-3からは、sMDTとRPCを設置することができ、この領域もL1段階で使用できる情報が増える。Run-2までもTile-Cal.がここを覆っていたが、基本的にはRPC BIS 78の方が分解能がよい(GTC 6.4 Gbpsを送信で使用できるので、細かいチャンネル読み出しが可能)ので、RPC BIS 78の情報を使用する。

R方向に3層の構造を持っていて、2/3 coin.を満たせば、NewSLへとデータを送信してくる。NewSLでは真ん中の層のヒット位置を、後述のコインシデンスロジックのための情報とするので、仮に2/3 coni.が最内層と最外層で取られていた場合は、それらを結んで真ん中の層に当たる位置を使用する。η方向の分解能がσ(η)=0.0016で非常によいため、この分解能を使って低い運動量ミューオンを削減できる。

バレルトロイド付近は磁場が不均一で、φ方向にもミューオントラックが有意に曲げられてしまう。

TGC-BWとBIS78のヒット位置のずれ(dη,dφ)を計算し、あるずれの範囲内であればpt>20GeVだ、という判定を行っていく。

これによって、運動量20GeV以上のミューオンを削減することなく(signal efficiency > 99%)、低い運動量ミューオンを削減することができる(→L1MU20の帯域確保につながる)。

さらにRPC BIS78の3層構造に着目し、最内層のヒット位置と最外層のヒット位置との差を計算し、その角度差(Δη,Δφ)からさらにミューオンの運動量を識別する。Δηは、ミューオンの軌跡の寝具合に相当するもので、その正負のズレによって、最終的に到達するTGC RoI がほんのわずかにズレることになる。高運動量の軌跡では、Δη=0となることも合わせて留意しておく。

  • Δη = η_inner - η_outer(ビーム軸に近いほどηの値は大きくなることに留意)
    • Δη>0:検出器原点とBIS78への入射点を結んだ直線よりも起きた軌跡で通過したイベント
    • Δη>0:検出器原点とBIS78への入射点を結んだ直線よりも寝ている軌跡で通過したイベント
  • Δφ = φ_inner - φ_outer

Level-1 Topo

トポロジカルなトリガー発行を行う。Run-2でも使用されていたが、Run-3ではさらに帯域を確保し主要なトリガーの一つとして使っていく。

τ→3μ

低い運動量ミューオンを3つ要求するので、低運動量閾値のミューオントリガーを使用する必要がある。しかし、プリスケールされていたりで、基本的にはあまり考えることのできないチャンネルであった。Run-3からは、3つのミューオンで普遍質量を組んだタウ粒子に対してトポロジカルなトリガーを考えることができるようになるため、物理的感度が向上する。このトポロジカルトリガーへ帯域を増やす分は、L1 muonがRun-3で削減する分が補填されるため(Run-2もRun-3もL1 rate = 100 kHzで固定)、ちゃんとL1muonが帯域を減らさなければならないのである。

Tag & probe

トリガー効率を測定する際に用いられるdata-driven methodである。

まずそもそも性能の良いトリガーとは、(例えばL1MU20のトリガーについて)通過したミューオン(pT>20GeV)すべてに対して正確に「このミューオンは20GeVである」と判定し、かつ通過したミューオン(pT<20GeV)に対しては「このミューオンは20GeV未満である」と正確に判定できることである。なので、技術的な困難を除けばトリガー効率(turn on curve)は次の式で表される。

トリガー効率 = (20GeV以上のミューオン)/(検出器を通過した全ミューオン)

なので、トリガー効率計算のためには、「検出器を通過した全ミューオン」を数えて、そのうちL1MU20が発行されたミューオンを数えればよい。で、ここからが本題。どうやって「検出器を通過した全ミューオン」の情報を持ってくるか?ATLASが収集したデータを持ってきて、単にミューオンを数えただけだと、

まずtag & probeの考え方

  • データ取得中の検出器の応答を見たいので(正しく全領域でトリガーが発行できているかを見たい)、実データを用いる
  • L1MU20にバイアスのないミューオンサンプルを用意する必要がある
    • ここが重要で、単にミューオンを持ってきただけだと、そのサンプルがどういう集団かわからない(正しく素のミューオンを持ってこれるかが鍵)
  • Z→μμのresonanceを使う(これによってほとんど真のミューオンを持ってこれる)
-- KosukeTakeda - 2019-02-28
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Topic revision: r2 - 2019-03-07 - KosukeTakeda
 
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